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RCSで変わる訴求とクリエイティブ|SMSとの違いを実例で解説

DDANCH編集部  RCS

RCSのクリエイティブを考えるとき、「SMSより多くの情報を送れる」という説明だけでは、配信する内容が決まりません。大切なのは、受け取った人に何を見てもらい、どこで選んでもらうかです。

本記事では、Clarins、LA Rams、Picardの公開事例から、画像・カルーセル・返信候補を訴求にどう使うかを読み解きます。既存のSMS施策を見直す担当者に向け、制作と運用に落とし込む方法を紹介します。

SMSとRCSでは、画像や選択肢を見せる場所が変わる

SMSでも、文章とURLで商品ページへ案内し、その先で比較、診断、フォーム入力をしてもらえます。RCSでは、その手前の受信メッセージに画像やカード、選択肢を置けます。サイトを開く前から商品の雰囲気を伝えたり、候補を絞ってもらったりできる点が、クリエイティブを考えるうえでの違いです。

通常のSMSはテキストが基本です。受信アプリがURLのプレビュー画像を表示する場合もありますが、SMS本文への画像添付とは仕組みが異なります。また、画像を送れるMMSは別のメッセージ方式です。画像が見えるという理由だけで、RCSと判断はできません。(参考:NTTドコモのSMS案内、Twilioのリンクプレビュー解説)

企業向けRCSでは、画像・GIF・動画、見出し、説明、返信候補やアクションをまとめた「リッチカード」や、カードを横に送って見る「カルーセル」を利用できます。以下は、これらの形式を訴求に結び付けた設計例です。(機能の出典:Googleのリッチカード仕様)

形式 向いている訴求 促す行動の例
画像+リッチカード 商品の外観、利用シーン、特典 気になった商品の詳細を見る
カルーセル 商品・プラン・日程の比較 候補を見比べて一つ選ぶ
質問+返信候補 好みや希望に沿った提案 条件を回答して候補を絞る
GIF・動画 動き、使い方、キャンペーンの印象 興味を持って案内先へ進む

なお、「返信候補」は選んだ回答を企業側へ送るものです。「アクション」はURLを開くなどの動作を行います。似たボタンでも役割が違うため、文言を分けましょう。URLを開く機能だけで、決済までメッセージ内に完結するわけではありません。(出典:Googleのメッセージ送信仕様)

架空の新作ヘッドホンを例に、RCSリッチカードを画像、タイトル・説明、外部の商品ページを開くアクションボタンの3要素に分けて示した図
架空のヘッドホンを使ったリッチカードの構成例。商品画像・短い説明・ボタンを1枚にまとめます。「商品を見る」は外部の商品ページを開くURLアクションです。対応機能や表示は配信サービス・受信環境によって異なります。 図を拡大して見る

海外3事例から学ぶ、RCSならではの見せ方

Clarins:商品写真から、興味のある売り場へ案内する

化粧品ブランドのClarinsは、ホリデーギフトのキャンペーンで、画像・見出し・説明を組み合わせたRCSを配信しました。ボタンの行き先は、ギフトセット、アドベントカレンダー、開催中のオファーの3種類です。(出典:SinchのClarins事例)

この構成から学べるのは、商品への興味をつくる画像と、次に見る場所を選ぶボタンの役割分担です。写真でギフトの雰囲気を伝え、説明で企画の内容を補足し、関心に合う売り場へ進んでもらう。ひとつのメッセージでも、受け手ごとに入口を選べます。

自社で応用するなら、ボタンを増やす前に、顧客が実際に迷う選択を整理しましょう。「詳しくはこちら」を並べるより、「ギフトセットを見る」「自宅用を探す」のように、行き先を具体化すると設計しやすくなります。

LA Rams:カルーセルで、観戦したい試合を探してもらう

米国のプロフットボールチーム、LA Ramsは、シーズンの日程発表に合わせた施策で、カルーセルとリッチカードを使い、複数のチケット商品を案内しました。Googleの公開画面では、試合に関するビジュアルや日程をカードで見せる構成が確認できます。(出典:GoogleのLA Rams事例)

制作上のヒントは、一覧ページへ送る前に「どれに興味があるか」を考える材料を渡せることです。選手や対戦のビジュアルで気持ちを動かし、日程で都合を確かめる。カルーセルなら、同じ項目を持つカードを順に見比べられます。

ECで複数の商品を紹介する場合も、カードごとの情報をそろえると比較しやすくなります。写真の大きさや説明量がばらばらだと、商品の違いより見た目の差が目立ちます。比較してほしい項目を先に決めることが大切です。

Picard:質問への回答を、メニュー提案につなげる

冷凍食品のPicardは、食の好み、予算、料理にどの程度手間をかけたいかを聞き、回答に応じたホリデーメニューを提案しました。その後、CTAから自社サイトへ案内しています。会話体験は、Sinchのチャットボット構築ツールとAPIを連携して実現したものです。(出典:SinchのPicard事例)

注目したいのは、RCS非対応の人には、同等のWebチャットボットへ進むリンク付きのRich SMSを送っていた点です。SMS経由でも同じ課題を解決できます。RCSでは、最初の質問への回答からメッセージアプリで始められる、という体験の違いがあります。

自社への応用では、売りたい商品から質問をつくるだけでなく、顧客が選べない理由を考えます。「何を重視しますか」という一問で候補が変わるなら、回答する意味が伝わります。回答に応じて何を返すかは、配信システムや会話シナリオ側で用意します。

架空のヘッドホン販売なら、こう組み立てる

ここからは、実在企業の実績ではない、架空のECショップの制作例です。新作ヘッドホンを案内するなら、受け手の検討段階に合わせて、次のように組み立てられます。

  1. まだ興味が定まっていない人へ。商品写真と「新作ヘッドホン」の見出しを組み合わせ、リッチカードで形や質感を伝える。アクションは「商品を見る」とし、商品ページへ案内する。
  2. いくつか比べたい人へ。「ブラック」「シルバー」「ブルー」の3色をカルーセルで見せる。各カードの商品写真は角度や大きさをそろえ、色の違いを比べやすくする。各カードの「商品を見る」から、対応する商品ページへ進める。
  3. 何を選ぶか迷っている人へ。「重視するポイントは?」と聞き、「音質」「軽さ」「使いやすさ」の返信候補を提示する。選んだ回答に合わせて、音の特徴、重量や装着感、操作方法の説明を返すシナリオを用意する。

この3つを一度に詰め込む必要はありません。すでに検討中なら色の比較から始めるなど、その人が次に決めたいことに合わせます。商品ページへ移動した後も、選んだ色や見ていた商品が分かる導線にすると、検討を続けやすくなります。

ブラック、シルバー、ブルーのヘッドホンを並べたカルーセルと、「重視するポイントは?」に音質・軽さ・使いやすさで返す返信候補の構成図
カルーセルは候補を横に送って比較し、返信候補はタップした回答を送信します。商品・画面は架空の構成例で、対応機能や表示は配信サービス・受信環境によって異なります。 図を拡大して見る

制作時は、画像より先に「次の一歩」を決める

まず、配信ごとの目的を一つに絞ります。詳細を読んでもらうのか、候補を選んでもらうのか、質問に回答してもらうのか。目的が決まれば、単一カード、カルーセル、会話形式のどれを使うかも判断しやすくなります。

画像と本文には、違う仕事を持たせます。画像は色や質感、利用シーンを伝え、見出しはその人にとっての価値、本文は条件を補います。画像内に細かな説明を詰め込まず、小さな画面で文字や商品が読めるか、切り抜きで重要な部分が欠けないかを確認してください。

ボタンとリンク先の内容をそろえます。「この商品の色を選ぶ」と書いたのに総合トップへ移動すると、もう一度探す手間が生まれます。会話形式なら、回答後の表示、途中でやめた場合の扱い、自由入力への対応まで確認します。

検証では、画像の有無だけでなく、見出しの訴求や選択肢の分け方を一つずつ比べます。クリック後に予約・購入へ進めたか、質問のどこで止まったかを見ると、次に直す場所が見つかります。

日本で使う際は、受信条件と代替導線も確認する

利用できる表現や配信対象は、配信事業者、通信会社、端末・OS、受信アプリなどの条件で変わります。個人間のRCSが使えることと、企業からのRCS配信を受け取れることは同じ条件ではありません。採用する配信サービスで対応を確認し、実機で表示と動作を試す必要があります。(参考:Googleの対応機能確認ガイド)

国内では「+メッセージ」の公式アカウントにもカルーセルやアクションボタンがあります。どのアプリ・配信経路を利用するのかを分けて確認しましょう。(参考:auの+メッセージ公式アカウント案内)

制作時には、RCSで届かない場合のSMS文面とリンク先も一緒に用意しましょう。画像がなくても企画の要点が伝わり、同じ商品や提案へ進めるようにします。配信対象の同意、停止方法、質問への回答データをどう扱うかも、運用設計に含めてください。

まとめ

RCSで広がるのは、受信メッセージの中で「商品を見せる」「候補を比べる」「希望を聞く」という接点です。まずは既存のSMS施策から、サイトへ移動する前に一つ伝えられると選びやすくなる情報を探してみてください。

DANCHのKOBOSAZUでは、RCS対応を準備中です。本記事の海外事例は、各社・提供事業者が公開した情報に基づくもので、DANCHやKOBOSAZUの導入実績ではありません。

成果や使い分けを確認したい方は、RCSの成功事例とSMS・メールとの比較、RCS事例と売上・コンバージョンの解説もご覧ください。

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