RCSの成果を考えるときは、「SMSやメールを別の媒体に変えると、どれだけ数字が上がるか」だけでなく、案内の仕方がどう変わったかを見ることが大切です。
SubwayとNespressoの公表事例では、SMSやメールとの比較で改善が報告されています。共通するのは、画像やボタン、質問を使い、受け取った人が次の行動へ進みやすい案内を設計したことです。2つの事例を、数字の意味とともに紹介します。
RCSとは?案内と次の行動をつなぐメッセージ
企業向けのRCSは、メッセージアプリで画像付きのカードや選択肢を使い、顧客とやり取りする仕組みです。商品の魅力を見せたり、質問への回答に合わせて案内を変えたりできます。Googleも、画像などのメディアと選択肢を使って会話を進める仕組みとして説明しています。[1]
基本的な違いを先に知りたい方は、RCSとSMSの違いをまとめた記事もご覧ください。
Subway:同じ販促文でも、画像とボタンで結果に差
米国のSubwayは、SMSとRCSで販促文をそろえたA/Bテストを実施しました。RCS側にはブランド表示、商品の画像、行動ボタンを加えています。Mobivityが2019年1月に公開した、Google Jibe作成の事例で紹介されています。[2]
| 販促内容 | RCSのコンバージョン率 |
|---|---|
| 1週目:サンドイッチ2本・11.99ドル | SMS比140%増(2.40倍) |
| 2週目:20ドルのセット | SMS比51%増(1.51倍) |
ただし、絶対的なコンバージョン率、試験人数、割り付け方法、成果の厳密な定義は本文に示されていません。
この事例から考えられるのは、同じ用件でも、商品を見て内容を理解し、ボタンから行動できる案内には改善の余地があるということです。画像やボタンのどの要素が、どれだけ効いたかまでは切り分けられません。
Nespresso:質問への回答から、自分に合う商品へ
Nespresso Franceの「Coffee Detective」は、コーヒーの好みなどに答えると、合うマシンと定期購入プランを案内する施策です。対応端末にはRCS、それ以外には会話型のRich SMSを配信しました。Rich SMSは、SMS内のリンクから、画像やボタンを使ったWebページへ案内する形式です。GoogleとSinchの公式事例で、次の結果が公表されています。[3] [4]
| 指標 | 公表された結果 |
|---|---|
| クリック率(CTR) | 15%。Rich SMSより4ポイント高い |
| 体験完了率 | 36%。GoogleはRich SMSの2.3倍と報告 |
| コンバージョン率 | SMS比11%高く、メール比9%高い |
クリック、質問体験の完了、コンバージョンは別の指標です。「体験完了率36%」を購入率と読み替えないようにしましょう。また、CTRの差は「4ポイント」で、コンバージョン率の11%・9%は相対的な差です。
この事例は、無作為に配信先を分けたA/Bテストとは説明されていません。対応端末などの条件が異なり、比較期間や絶対的なコンバージョン率も示されていないため、差のすべてがRCSだけによるものとは断定できません。
2つの事例から学ぶ、次の行動の設計
Subwayでは商品の画像と行動ボタン、Nespressoでは質問からおすすめにつなぐ流れが使われています。DANCHが注目するのは、情報を増やすことよりも、相手が迷うところを減らす設計です。
- 関心を持ってもらう:商品や案内の内容を、画像と短い説明で伝える。
- 選びやすくする:必要に応じて質問し、相手に合う選択肢へ絞る。
- 次へ進みやすくする:「詳しく見る」「相談日時を選ぶ」など、行動を具体的に示す。
例えば資料請求後なら、資料を送るだけでなく、関心のあるテーマを選んでもらい、関連する説明や相談ページへ案内する流れが考えられます。これは事例をもとにした活用案で、DANCHの導入実績ではありません。
導入前に、比較できる検証条件をそろえる
まずは、改善したい行動を一つ決めます。クリックを増やしたいのか、予約や購入まで進めたいのかで、案内も見るべき数字も変わります。比較する際は、対象者、案内内容、配信時期、集計期間、成果の数え方をできる限りそろえましょう。
そのうえで、対象顧客への配信可否、届かない場合の代替手段、受信への同意と配信停止の運用、制作・配信・運用を含めた費用を確認します。ボタンの先の予約ページや申込フォームまで、実際に操作して確かめることも大切です。
2つの事例は、対象者も施策も比較条件も異なります。数字は個別施策の公表結果であり、事例同士を直接比較するものでも、同じ成果を保証するものでもありません。
媒体選びとともに、案内の「その後」を見直す
RCSの事例が示すのは、画像やボタン、会話の流れを使った案内が、成果改善につながる可能性です。自社で取り入れる際は、顧客がどこで迷い、次に何を知りたいかから考えてみてください。
問い合わせから予約・商談までの歩留まりに課題がある方は、DANCHへ、問い合わせの「その後」の設計をご相談ください。KOBOSAZUのRCS提供は準備中です。
